展覧会

池田龍雄展

2009/10/24(土)〜11/23(月)


開催時間:12:00 – 19:00
休廊日:月曜日・火曜日
(11/3[火・祝],11/23[月・祝]は開廊)

ギャラリートーク

15:00-17:00 ギャラリートーク
参加:一般500円、E&C会員無料

オープニングレセプション17:00-19:00 オープニングレセプション(参加自由)


E&Cギャラリーの第5回企画として“池田龍雄”展を開催致します。
池田さんは略歴にもある通り、戦後の現代美術のその始まりの地点から、中心的なメンバーとして参加され、制作の基盤を少しもゆるがすことなく、今日に至るまで精力的に作家活動を続けておられるいわば稀有な存在の一人です。
私が東京で発表している画廊で、池田さんも発表されている縁があって、お話をしたところ、大変心よく引き受けていただき、今回の展覧会が実現することになりました。
池田さんの作品については、今まで多くの方々がお話をされているので改めてそれに何事かを付け加える思いも、又、能力もありません。ただ私が感じているのは、恐らくどこか見当が外れているかもしれませんが、“アルカイック”という響きです。60年にわたる活動の中で、絵画を主として様々な表現方法で制作を続けてこられた、その根底にあるバランスや比率の感覚は、私に、どことなく古代ギリシャのあの直立した男神像を想起させるのです。それは“生”そのものというよりは“生”以前の存在といったもののようにも思います。時代に流されるのではなく、“生”が始まるその瞬間を視つめ続けてこられたように感じています。
今回の展覧会に併せてギャラリートークをお願いしています。まさに戦後の現代美術の生き辞引きとも言える池田さんのお話を、福井で聞くことができるということは、これも又、稀なことと思います。
皆様の御来場を心よりお待ちしています。

宮崎光二


シリーズ『場の位相』について

――場とは、磁場であり、電場であり、重力場であり、あるいはヒッグス場であるかもしれない。宇宙は場に満たされており、場の中を動いている。
地上では、現場であり、職場であり、戦場であり、あるいは墓場でもあるだろう。世界は場の中にあり、人は場の中で生きている。――

このシリーズの最初の発表の際のカタログにそう記した。わが内なる世界と外側の宇宙は、截然と区切られ対峙しているのではなく、分ちがたく一つながりに繋がっているものである――という認識をわたしは早くから持っている。けれども両者の間には大いなる矛盾が横たわり亀裂があり、決して生易しく平坦なものではない。外なる宇宙と内なる世界の奥底にあるもの、その関係、その状態は、不可思議と謎に満ちている。プランクスケールのミクロの領域から、閉じているのか開いているのか未だ不透明なマクロ宇宙の果てまで、遂に科学の眼でも完璧に見定めることは出来ないだろう。それは、根源的に不確定・不規則。絶え間なく波立ち、ゆらぎ、極めて複雑な様相を呈しているに違いない。
生命に神秘、生存の深淵。人の世もまた、絶え間なく摩擦を生じ、争いを起こし、愛と死、喜びと悲しみ、楽と苦などなど、限りなく多様に彩られている。けれども人は、それら全ての真相真理を確実に見通すことは不可能だ。

――見えないものを見えるようにするのが絵画だ。とは誰かの言葉である。わたしは、その見えない何かを見ようとして、絵を書き、または描き、もしくは画いた。――

これが『場の位相』についての最初のコメントの、その最後の文言である。今回の発表は、同じテーマのシリーズとしては三回目になる。見えない「場」を、虚の時空にある風景(山水)としてとらえてみた。

池田龍雄


作家略歴

1928年佐賀県生まれ。1948年多摩造形芸術専門学校(現多摩美術大学)入学。
まもなく岡本太郎、花田清輝、安部公房らのアヴァンギャルド芸術運動に参加。
以来、文学や映画など、多くのジャンルと深く交わりながら、
一貫して美術の前衛として今日まで活動し続ける。
1954年 養清堂画廊にて初個展。
以後国内外での個展・グループ展多数。

主な展覧会

1982年「瀧口修造と戦後美術」富山県立近代美術館(富山)
1985年「池田龍雄の世界展」池田20世紀美術館(静岡)
「再構成・日本の前衛1945-65」オックスフォード近代美術館(イギリス)
1986年「前衛美術の日本1910-1970」ポンピドーセンター(パリ)
1988年「走図展」INAXギャラリー(東京)
1992年「日本の現代美術1945-1985」東京都美術館(東京)
1995年「戦後文化の軌跡1945-1995」目黒区美術館(東京)
1997年「ねりまの美術 97 池田龍雄・中村宏」練馬区立美術館(東京)
1998年「瀧口修造とその周辺」国立国際美術館(大阪)
2000年「万歳七唱 岡本太郎の鬼子たち」川崎市岡本太郎美術館(神奈川)
2001年 第21回 オマージュ瀧口修造展 「漂着」佐谷画廊(東京)
2005年「瀧口修造 夢の漂流物」世田谷美術館(東京)
2009年「場の位相」ギャラリーM(愛知)
1987・88・91・93・96・97・99・01・04・06年 ギャルリー東京ユマニテ(東京)
1991・96・98・99・00・04・07年 ギャラリーとわーる(福岡)
2005・06・07・08年 ギャラリー58(東京) 他

パブリックコレクション

東京国立近代美術館・東京都現代美術館・世田谷美術館・練馬区立美術館・山梨県立美術館・
富山県立近代美術館・佐賀県立美術館・国立国際美術館・広島市現代美術館・熊本市現代美術館・
栃木県立美術館・名古屋市美術館・福岡市美術館ほか多数
著書に『視覚の外縁-池田龍雄文集拾遺-』(沖積舎)、 『芸術アヴァンギャルドの背中』(沖積舎)、
『絵画の距離』(創樹社)、『夢・現・記』(現代企画室)、『蜻蛉の夢』(海鳥社)など。


Posted on 2009-10-24 | Posted in 展覧会 | No Comments »

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