鷹野隆大 写真展
2011/7/30(土)〜8/28(日)
開催時間:12:00 - 19:00
休廊日:月曜日・火曜日
<関連イベント>
2011年8月6日(土)
アーティストトーク│15:00-16:30│参加料:一般500円、会員無料
レセプション│17:00-19:00│参加無料
福井出身の写真家・鷹野隆大氏の個展を開催します。
セクシュアリティーをテーマにした一連のシリーズを追うほか、
一日一回はシャッターを押すことを自分に課した「毎日写真」シリーズを併せて展示いたします。
左図:
シリーズ「男の乗り方」より、2006年
作家コメント

上図:シリーズ「毎日写真」より、2004
(最近、こんなことばかり考えている。所詮は馬鹿の戯言である。
わかってはいるのだが、ひょっとしたらどこかに共鳴してくれる人がいるかもしれない。そんなおめでたい馬鹿の一念である)
——なんだかこの社会から日に日に「信念」という言葉が消えている気がする。
そう言うおまえに信念はあるのか?
——ある。と思う。そう願っているだけかもしれないが。
どんな信念だ? 立派な信念か。
——些末な信念だ。
そんなものを語って何になる。誰か一人でも救えるのか?
——わからない。
なら、それが一体なんの役に立つというのだ。
——わからない。でも、役立たないものはこの世に存在してはいけないのか? そもそも立派な信念とは何だ?
人類を救うとか世界平和に貢献するとか、究極の立派な信念は、ただの誇大妄想ではないのか。長年にわたり人類は誇大な夢を追い続けてきた。
より早く、より大量に、より遠くへという膨張に膨張を重ねた結果がこの始末だ。
身体能力を遥かに越えるスピード、抱えきれないほどの量、じかに見ることのできない遠くの世界。一体それらとどう関わればいいのか。
もはや僕にはわからない。
幸い、写真は目の前のものしか写せない。足もとのひとつひとつと丹念に向き合うのには絶好の媒体だ。
自分の立っているところから何かを紡ぐこと。それが写真家の信念だろう。
その信念がいかに些末でくだらないものであっても、信念を売り渡した“巨大で立派なもの”より遥かにましだ。
土台、ひとりの人間が抱え込める信念など、たかが知れている。
経済が成長し、国も拡大し続けなければならないという強迫観念を捨て、ひとりひとりが信念を持てる程度の小さな社会で生きること。
多少貧しくても、その方が楽しく幸せではないだろうか。僕は最近、世界がそんなふうにやり直すのを夢みている。
んん? おまえも結局ただの誇大な夢想家ではないか。
そもそも、そんな貧しい社会で、おまえのように余剰を吸って生きている者がどうやって食べて行く?
——わからない。でも、、、、
(以下、永遠に繰り返す)
鷹野 隆大
作家略歴
写真家。1963年福井市生まれ。1994年の初個展以来、セクシュアリティーをテーマに作品を発表。
2006年には写真集『IN MY ROOM』(蒼穹舎)で第31回木村伊兵衛写真賞を受賞。
また、 一日一回はシャッターを押すことを自分に課した「毎日写真」を1998年から始め、現在まで欠かさず続けている。
こうして日常の中で気になったものを撮り続けるうちに、近年は都市空間にも興味を持つようになり、
今年2月には初の街並み写真集『カスババ』(発行:大和プレス、発売アートイット)を刊行。
その他の写真集として『男の乗り方』『ぱらぱらーまりあ、としひさ』(いずれもAkio Nagasawa Publishing)などがある。
